看護師の業務負担増加や慢性的な人手不足など、医療現場では働き方改革への対応が急務となっています。こうした課題を解決し、省人化・省力化を実現する手段のひとつが搬送ロボットです。本記事では、搬送ロボットがどのように院内の課題を解決し、働き方改革に繋がるのか、具体的な事例を交えて解説します。
2024年4月から本格化した医師の働き方改革により、医療現場では労働時間の上限規制への対応が急務となっています。医師の負担を減らすため、一部の業務を看護師などに移管するタスクシフトが推進されていますが、これに伴い看護師の業務量も増加傾向にあります。院内全体での根本的な業務効率化と、労働環境の改善が求められているのが現状です。
看護師の日常業務において、大きな負担となっているのがモノを運ぶ作業です。検体、薬剤、リネン、食事など、院内の各ステーションや病棟間を行き来する回数は多く、1日の歩行距離が長くなりがちです。この単純な搬送業務が多くの時間を奪い、本来の目的である患者へのケアや専門的な業務に割くべき時間を圧迫しているという課題があります。
看護師の負担増加や人手不足などの悩みを抱える病院において、省力化や業務効率化を支援する手段のひとつが搬送ロボットです。薬剤や検体、リネンなどを指定した拠点間を自律走行して運搬します。近年では、院内のWi-Fiやシステムと連携し、エレベーターの乗降や自動ドアの通過も自動で行える高度なロボットも登場しています。
導入するメリットは、看護師の歩行距離と身体的負担の軽減です。これまで人が行っていた単純な搬送作業をロボットに任せることで、業務の自動化・省力化が実現します。これにより創出された時間を、患者のベッドサイドケアや、より専門性の高い業務に時間を充てることが可能になります。
トヨタ記念病院では、夜間帯の手薄な体制において、薬剤や検体の搬送業務が大きな課題でした。搬送のために看護師が病棟を離れると、ナースコール対応の遅れや安全性の低下が懸念されます。
そこで搬送ロボットを導入した結果、スタッフがステーションを離れることなく物品の受け渡しが可能になりました。夜間帯の搬送業務に伴う負担軽減や業務効率化に繋がり、医療従事者が本来業務に集中しやすい環境づくりに貢献しています。
中京病院の事例では、内服薬や注射薬に加え、院内のエアシューターでは搬送が難しい検体や医療機器などを医療スタッフが自ら運んでおり、その業務負担が課題となっていました。
そこで川崎重工の屋内配送ロボット「FORRO(フォーロ)」を導入し、配送業務を自動化。これまで人が担っていた運搬作業をロボットに任せることで医療従事者の負担が大幅に軽減され、質の高い医療の持続的提供と働き方改革の両立に繋がっています。
搬送ロボットの導入は、看護師の負担軽減や業務の効率化など、病院の働き方改革に直結する重要な施策です。検討の際は、血液検体やリネンなど「何を運ぶか」や、エレベーター連携などの環境といった自院の課題に合致しているかが重要になります。現場のスタッフが使いやすく、自院の課題に適したロボットを選定し、医療の質向上と労働環境の改善を実現しましょう。
病院の規模や運営体制によって、搬送ロボットに求められる機能や導入のハードルは大きく異なります。大規模病院では一度に多くの物品を運べること、中小病院ではすぐに使える手軽さ、無床クリニックでは限られた人員で診療時間を最大化することが求められます。
そこで、このメディアでは、病院の規模ごとの課題に応じたおすすめの搬送ロボット3選を紹介します。

最大200㎏積載可能で、病棟間を巡り検体・医療器具・滅菌物などを効率的に運搬。スタッフの往復作業による業務負担を大幅に低減します。
搬送ルート・部署連携・セキュリティ制御まで搬送業務を効率化。無理なく導入でき、持続的なロボットによる搬送体制を構築できる。
| 本体サイズ (mm) |
467×880×1,520 |
|---|---|
| 積載/牽引(kg) | 最大200 |
| 時間(h) | 充電:2.5 走行:8 |
| セキュリティ 連携 |
エレベーター:〇 ドア:〇 |
| セキュリティ 対応 |
パスワード・ICカード・指紋認証・顔認証 |

初期設定が容易なため最短10日で導入が可能。最小限の人数で運営する中小病院でもすぐに活用でき、スタッフの時間を確保しやすい。
ボタン操作やカード認証はAI制御のロボットアームで実行。エレベーターとのシステム連携が不要で、既存の設備のまま短期運用もできる。
| 本体サイズ (mm) |
500×540×1,150 |
|---|---|
| 積載/牽引(kg) | 最大30 |
| 時間(h) | 充電:公式HPに記載なし 走行:最大24 |
| セキュリティ 連携 |
エレベーター:〇 ドア:〇 |
| セキュリティ 対応 |
アームによる カードタッチ |

患者対応中にロボットが搬送を担い、医師は診療を中断することが減少。待ち時間を減らし、診療の質が高まり満足度向上につながります。
kachakaは最小55cmの通路幅でも走行可能な小型タイプなので、都心部の歯科クリニックや耳鼻科などの狭い空間でも活用・収納が容易。
| 本体サイズ (mm) |
240×387×124 |
|---|---|
| 積載/牽引(kg) | 最大30 |
| 時間(h) | 充電:2.0~ 走行:2.0~ |
| セキュリティ 連携 |
エレベーター/ドア: いずれも公式HPに 記載なし |
| セキュリティ 対応 |
公式HPに記載なし |
※初期費用や月額費用に関しては、公式HPより直接お問い合わせください。